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夏の病気 その2 ~皮膚病~

夏は、「皮膚病」が悪化する時期でもあります。
多く見られる皮膚疾患には、アレルギー性皮膚疾患、脂漏性皮膚疾患、感染性皮膚疾患があります。
シャンプーは、これらの皮膚病の管理において有効な治療法、予防法の一つであると言われています。
動物は、厚い被毛で皮膚が覆われていますが、シャンプーをすることで、皮膚病に対する有効成分を直接皮膚表面に作用させることができます。
また、シャンプーをすることにより、皮膚を清潔に保つことができ、痒みや悪臭などを軽減する事ができます。
とはいえ、人間用のシャンプーを動物に使用することは好ましくありません
犬や猫の皮膚は、ヒトの皮膚よりも薄く、刺激にとても敏感です。
また、ヒトの皮膚は弱酸性ですが、犬猫の皮膚は、ヒトとは違い、弱アルカリ性に保たれています。
従って、その犬猫の皮膚の状態、皮膚病の症状に合ったシャンプーをそれぞれ選択し、使い分けることが必須でしょう。
各症状に合ったシャンプーは、当院におたずねください。

余談ですが、そのセミナーで、5ヶ月齢までにシャンプーの経験をさせると、将来シャンプーを嫌がらない子になると聞きました。皆さんも、試してみてください。

最後に、下記の方法を参考にしてください。

<効果的なャンプーの方法>


 

おうちに迎える前に

ペットショップで一目ぼれして、思いつきで犬を飼い始めたとき、飼主さんのライフスタイルと、犬種の性格がかみあわないことで苦労するケースがあります。
お年寄りが、長い散歩や充分な運動が必要な犬を飼うことは、飼主さんにとっても犬にとってもストレスになるでしょうし、忙しくて世話をする時間の無い方が、毎日の手入れが必要な犬種を飼ったりすることも、お互いのためになりません。
犬を飼う前に、自分が犬との暮らしに何を求めているのかを考え、それに合わせた犬種を選ぶことが大切です。

犬は、その用途によっていくつかのグループに分けられます。それぞれの犬種が作られた目的を知ると、その性格を理解しやすいと思います。

牧畜犬のグループ
主な犬種
ウエルシュ・コルギー シェットランド・シープドック ボーダーコリー

性格
物を追いかけたり、吠えたりすることが大好きな、活発な子が多いです。
頭がよく、きちんとしつければフリスビーやアジリティなども教えられます。
ウエルシュ・コルギーは気の強い子が多いです。

世話
運動不足になるとイライラして吠えたり、いたずらをしてしまうこともあるので毎日の散歩の他に、充分な運動が必要です。

猟犬のグループ
主な犬種
ゴールデン・レトリバー ラブラドール・レトリバー フラットコーテッド・レトリバー ビーグル
セッター、ポインター、ハウンド、コッカースパニエル系

性格
ものおじしない、はつらつとした元気のいい子が多いです。人間によくなつきます。
盲導犬にも使われる、おとなしく頭のいい子がいる一方で、非常におちつきが無く、散歩なども困難なほど興奮しやすい子もいます。おちつきが無い子は、ひっぱられて怪我をしたり、人にとびついたりして危険なので、トレーニングに出す必要があります。

世話
毎日の運動は充分に必要で、犬種によっては被毛の手入れがたいへんです。

小型猟犬のグループ
主な犬種
ダックスフンド ジャックラッセル・テリア ミニチュア・シュナウザー

性格
興奮しやすく、感受性が豊かな子が多いです。愛情深く、飼主さんの言うことをよく理解してくれます。
土を掘ったり、小さなものを追いかけたりすることが大好きです。
おもちゃなどへの執着心が強く、たとえ飼主でもおもちゃを取られまいとして威嚇したり、知らない人や犬に吠えたりする、気の強い一面も持ち合わせています。

世話
小型犬ですが、充分な運動が必要です。ミニチュア・シュナウザーは定期的なトリミングが必要です。

愛玩犬のグループ
主な犬種
シーズー パピヨン ポメラニアン チワワ マルチーズ プードル ヨークシャー・テリア キャバリア・キングチャールズ・スパニエル

性格
おとなしく、甘えん坊な子が多いです。少し怖がりなところがあり、知らない人に吠えたりする場合もあります。運動は少なくて良く、力も弱いのでお年寄りでも飼いやすいです。

世話
被毛の手入れは大変で、毎日の手入れに加えて、定期的なトリミングが必要です。

短頭種
主な犬種
パグ フレンチ・ブルドック ボストン・テリア

性格
非常にマイペースで、頑固な子が多いです。たとえ飼主さんの命令でも、自分の意にそぐわないことだと断ります。基本的なしつけはできますが、元々あまり言うことを聞く気がないため、複雑なことは教えられません。

世話
暑さ寒さに弱く、熱中症などになりやすいため、エアコンなどで温度管理をする必要があります。被毛の手入れは簡単ですが、よく毛が抜けます。

日本犬
性格
場合には攻撃することもあります。また、体罰を加えるような危険なしつけ方をされたときも、飼主に対する不信感をもちやすいです。

世話
被毛の手入れは簡単ですが、生え変わりの時期はブラッシングが
必要です。

家族全員が留守がち、毎日の運動や手入れなどの時間がない、しつけをするのが面倒・・・な方は犬以外の動物をおすすめします。
犬種によっては、皮膚が弱い子や、心臓病、関節の障害などが遺伝しやすいこともあります。
もし、そのような病気になったときに、きちんと世話ができるのかも
考える必要があります。
動物を迎える前に・・・その犬種がどんな性格で、どんな世話が必要なのか家族でよく話し合ってからにしましょう。

しつけについて・・・

このコーナーでは、仔犬、仔猫の「しつけ」についてお話ししたいと思います。

そもそも「しつけ」とは何のために必要なのでしょうか。
「しつけ」の目的は、動物と飼主さんが幸せに暮らし、周囲の人たちに迷惑をかけないようにすることです。

そのためには、“悪い行動を叱ってやめさせる“のではなく、”良い行動を見つけてほめて伸ばす“ことが大切になります。

体の病気をワクチンで予防するように、「ほめる」ワクチンでこころの病気を予防しましょう。

動物と飼主さんが幸せに暮らせるように、少しでもお手伝いできたら・・・と思っています。

夏の病気 その1 ~熱中症~

夏に多い疾患といえば、「熱中症」です。
熱中症は、エアコンのない閉めきった部屋や車内に置かれたり、夏の日差しが当たる場所で飼育されたり、暑い時間帯でたくさん運動することなどで引き起こされます。
熱中症を引き起こすと、呼吸が速くなりハァハァと口を開け、体温が高くなります。
さらには、立てない、意識がないなどの症状が現れ、重症になると死に至るケースも少なくありません。
犬は、人のように汗をかいて体温を調節することができません。
そのため、飼い主さんが注意してあげることが大切でしょう。

熱中症にならないために、今一度、以下のような点に注意しましょう。

○動物を置いて外出するときは、室温が上がらないように工夫しましょう。
○密閉された狭い空間に置かないようにしましょう。
○外で飼育している時は直射日光が当たらないように工夫しましょう。
○いつでも水分を十分取れるようにしておきましょう。
○車に乗っているときは、車内温度を十分コントロールして、日光の当たらない場所に置きましょう。
○夏場の運動は、涼しい時間帯に行い、時間をかけないようにしましょう。特にアスファルトは、人が感じる温度より、犬にとっては暑く感じることがあるので注意しましょう。
○シーズーやパグなどの短頭種や肥満犬、心臓の悪い子、ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬では特に上記のことに注意しましょう。
○万が一熱中症になったときは、水をかける、エアコンがよく効く涼しい部屋に置くなど、直ちに動物を冷却し、動物病院の指示を仰ぎましょう。

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