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幹細胞療法

幹細胞とは

幹細胞とは、自己増殖能と分化能をもつ細胞のことを指します。
近年ではiPS細胞(人工多能性幹細胞)が有名ですが、体内のあらゆる組織(骨髄や脂肪など)に幹細胞(体性幹細胞)は存在しています。
体性幹細胞の一つである間葉系幹細胞は、骨、心筋、筋肉、脂肪細胞などに分化する能力をもち、脂肪や骨髄から採取可能です。
獣医療で一般的に使用される幹細胞療法はこの間葉系幹細胞(以下、幹細胞)を使用することが多いです。

犬の皮下脂肪から単離して培養した脂肪幹細胞の顕微鏡写真(200倍)

効果

幹細胞には組織修復作用、抗炎症作用、免疫調節作用といった様々な能力があると考えられており、いろいろな病気に使用が検討されています。

性質・保存

一般的な臓器移植では、移植側(レシピエント側)の免疫拒絶反応が問題となります。しかし、幹細胞はレシピエントの免疫拒絶を受けにくい性質を持っている事と、培養した細胞をディープフリーザー(超低温冷凍庫)で保存する事で移植による免疫反応をほぼ消失させることができると分かってきました。
自家移植※1では細胞培養に日数がかかるため、近年では他家移植※2による幹細胞療法が行われる事がほとんどです。
当院では院内のディープフリーザーに保存している幹細胞を他家移植で投与いたします。

※1:自家移植:自分の細胞を採取、培養後、自分に移植する事
※2:他家移植:予め保存されていた他人の細胞を移植する事

ディープフリーザー(超低温冷凍庫)

投与方法

投与方法は静脈内に点滴で投与することが多いです。
当院では、半日お預かりして行います。

特に幹細胞療法で治癒が期待される病気

・自己免疫性疾患(溶血性貧血(IMHA)、関節炎...)
・炎症性疾患(炎症性腸疾患(IBD)...)
・脊髄疾患(椎間板ヘルニア...)

▶ 幹細胞療法の症例

注意点

現状、幹細胞治療は絶対的な万能薬ではありません。上記の疾患に対しても治療の第一選択として使われるわけではありません。
従来の治療を行なっても期待された治療成果が得られない時や何らかの理由で第一選択の治療ができない時の第2選択以降のオプションとなります。

使用例

・免疫疾患に対して免疫抑制剤の効果がない。または免疫抑制剤を使用できない時
・椎間板ヘルニアの手術を行なっても歩く事ができない。または、高齢などの理由で手術ができない時

※詳細な費用、起こり得る副作用、適応疾患については来院時に獣医師から説明いたします。その説明を踏まえ、飼い主様が納得された上で幹細胞治療を受けられるかどうか決めて頂いています。