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コラム

チャイム・来客に吠える

テリトリー意識が高い犬種や、多頭飼育の場合、来客や外の通行人、チャイムやサイレンなどの音に対して激しく吠えることがあります。
仔犬のうちからこれらの刺激に慣れさせ、「吠えない」ことを教えましょう。

「吠える」習慣がつくまえに・・

①家族が帰宅するときは、チャイムをならしてから家に入るようにしましょう。ひんぱんにチャイムをならして、音に慣れさせること、チャイムがなるのは「家族が帰ってくる=いいことがある」と学習させます。

②2人で協力して行います。1人が外でチャイムを鳴らします。鳴ったら、もう1人が仔犬に号令をかけ、「おすわり」をさせてからごほうびを与えます。
この訓練を、仔犬が、チャイムが鳴ったら人間を見て、「この音がなったらごほうびがもらえる」と期待するようになるまで毎日続けます。

③郵便屋さんや、宅急便などの頻繁に来る人や、親しい友人には、チャイムを鳴らして玄関に入った後で、仔犬におやつを与えてもらいます。来客が来ることも、仔犬にとっていいことであると学習させます。

すでに「吠える」習慣がつきはじめている場合

①吠える犬に対して、大声で叱ることは逆効果です。ほとんどの犬は飼い主も、自分と同じように音に向かって吠えていると勘違いしてしまいます。

②吠えるのをやめさせるためには、吠えている対象から仔犬の気をそらさなければなりません。音の出るおもちゃを鳴らしたり、おやつのふくろをガサガサさせたり、缶に小石をいれた物を振ったりして、人間に注目させます。

③それでも吠えることに夢中になっているようなら、「静かに!」と一度だけ大きな声でいい、空き缶に小石を入れたものを仔犬のそばに投げたり(もちろん当てないように)、スプレーボトルに水で薄めたレモン果汁や、酢などを入れておいたものを、仔犬の顔にふきつけます。

④仔犬が吠えることをやめて静かになったら、ほめてごほうびを与えます。

⑤何度も繰り返すことで、「静かに」の号令だけでだまるようになるので、十分にほめてください。

※注意)成犬の「吠える」行動に関しては、イヌの生活環境に問題があったり、人間との主従関係に問題がある場合が多いので、専門家に相談することをお勧めします。

うるさく吠える・・仔犬のいいぶん

犬が吠えるとき、そこにはさまざまな理由が隠されています。そして、「吠える」ときの対処法も、その理由によってさまざまです。
特に、仔犬がほえるとき、「不安な気持ち」や「トイレなどの生理的欲求」がかかわっていることが多いようです。
それは人間の赤ちゃんが、お腹がすいたり、おしっこをした後などに泣くのと同じです。
まず、仔犬がなにを望んでいるのかを理解してください。それにあわせて対処し、徐々に「吠える必要がない・静かにしているといいことがある」ことを教えていきます。

夜鳴き・1頭にすると鳴きだす
通常、仔犬は生後2ヶ月前後で母犬や兄弟犬と離れて家にやってきます。生後2ヶ月だと、人間でいうと3歳くらいと言えます。そのような時期に、親から離され、まったく知らない家にくれば不安で鳴くのは当然のことと言えるでしょう。
夜鳴きの対処法としては、「甘やかさないほうがいい・鳴きやむまで放っておく」というやり方もあります。しかしながら、不安な気持ちでいっぱいの子犬に対しては、「しつけ」以上に「新しい環境になれて、飼い主を安心できる存在だとわかる」ほうが大切だと思います。
新しく家にきた1週間から10日間くらいは、仔犬が寝ているケージの近くで人間も寝る、などして、
できるだけそばにいてあげてください。そして、仔犬が落ち着いてきて、不安な様子がなくなってきたら徐々に距離をおき、1頭でいられるようにトレーニングしていきます。

明け方・夜中に鳴く
まず、なぜ仔犬が鳴くのかよく考えてみてください。寂しいのでしょうか。それともトイレがしたいのか、お腹が空いたのかもしれません。仔犬が起きてからの行動をよく観察して、何が理由で吠えているのかをつきとめます。
朝はやくから目が覚めて鳴くようなら、夜寝る時間を遅くし、目をさます時間をずらします。
また、寝る前にあそんで疲れさせること、排泄をさせてから寝かせることも効果があるようです。
朝、お腹が空きすぎている様子なら、夜ご飯の時間を遅くしたり、寝る前にもう一度食餌を与えることで対処できます。
朝早くから鳴きつづける子犬を無視することは、なかなか難しいものです。仔犬に対しては、無視するよりも、「ほえなくてもいい環境」を作ってあげることが大切だと思います。

要求吠え
トイレ・空腹といった生理的欲求ではなく、「はやく散歩につれていけ」「なにかおいしいものが欲しい」「遊べ」といった要求を人間につたえるために吠えることを「要求吠え」と呼んでいます。
要求吠えに対しては、「無視」することが一番です。
吠えている間は完全に無視し(目も合わせてはいけません)、静かになったタイミングで褒めて、ごほうびを与えます。
根気が必要ですが、吠える犬の要求に「うるさいから・・」と従っていると、吠える行動はどんどんエスカレートしていきます。

老齢の猫によく見られるホルモンの病気

甲状腺機能亢進症は、甲状腺から出るホルモンが出すぎてしまうことで引き起こされます。
犬よりも猫、特に老猫に多く見られる内分泌疾患のひとつです。

甲状腺は、気管の左右両側に存在し、甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺ホルモンは、細胞の代謝率を上昇させて、からだの新陳代謝を促します。
このホルモンが作用する臓器は、非常にたくさんあり、全身(脳、心臓、消化管、骨、筋肉、皮膚、その他)の組織に作用して、身体活動の調節のみならず、精神活動にも作用します。また、発育や成長にも欠かすことのできないものです。

病因
甲状腺機能亢進症では、甲状腺が何らかの原因で大きくなることで、甲状腺ホルモンが正常より多く分泌されてしまう疾患です。
発病には、餌や環境の要因、ある種の腫瘍遺伝子の関与などが考えられていますが、明らかになっていません。
発症は、8歳以上の中年から老年、特に13歳前後で多いようです。
性差や好発品種は特にありません。

臨床症状
全身の代謝が亢進するため、必要カロリー量も増え、食欲の亢進と体重の減少がよく見られます。
そのほか、水をよく飲みおしっこもたくさんする、吐く、下痢をする、落ち着きがない、怒りっぽくなった、など症状はさまざまです。
健康な猫では、一般身体検査で甲状腺に触れることはないのですが、本症の猫80~90%では、片方あるいは両方の大きくなった甲状腺を確認することができます。
心臓をはじめさまざまな臓器に負担を与えるため、頻脈や心臓の雑音が認められることもあり、突然死の可能性もあります。

ホルモン検査
一般的な血液検査で、甲状腺機能亢進症が疑われた場合、次に、血液中の甲状腺ホルモンの濃度を測定し、診断します。

治療
薬を飲ませる内科療法と、原因となる甲状腺自体を外科的に摘出するという方法があります。

飼い主も犬も楽しい お散歩のルール

お散歩は心と身体のストレス解消
ここ近年、小型犬のブームや、住宅事情などから、犬を室内で飼う人が増えてきています。
それに伴い、犬は「家族の一員」として、また「社会の一員」として認められてきています。
ドックランや、カフェなどの犬の同伴が可能な施設も多くなってきました。
昔は、「散歩」は排泄のためのものでしたが、室内で排泄できる犬が増えたことなどから、「散歩」の目的は、犬の運動やストレス解消のため、また「しつけ」の一環のためという考え方にかわってきています。

お散歩は量より質が大切
★大型犬・狩猟犬・牧用犬など(充分な運動が必要な犬種)★
これらの犬種は、私達の想像をこえるスタミナを持っています。あり余るエネルギーを発散させるためには、かなりの運動量が必要です。(ラブラドール・レトリバーで10キロ以上の運動が必要といわれています。)
本来、狩りをしたり、仕事をしたりするための犬なので、ただ歩くだけでは充分ではありません。
ドックランなどで自由に走り回らせたり、ボールを追いかけさせたりして、全速力で走れる運動でエネルギーを発散させることが大切です。
また、レトリバー種は、「何かを運ぶ」ことを好むので、散歩中にカバンなどをくわえて運ばせるとストレス発散になるでしょう。

★小型犬(運動量がすくない犬種)★
小型犬の場合、室内での運動だけで、お散歩には行かないという方も多いのですが、外の世界を知らない犬は、怖がりになったり、神経質で、なれない環境(病院や、ペットホテルなど)で過剰にストレスを感じてしまいがちです。
お散歩は心の成長のためにもとても大切です。社会性を身につけさせるために、小型犬にもお散歩が必要なのです。
小型犬の場合は、お散歩に時間をかける必要がないので、「ゴミを出しに行く」ときや「ご近所の家に行く」ときなど、ちょっとした用事に付き合わせると、犬にとっていい気分転換になるでしょう。
また、初めてのお散歩では、仔犬が怖がって歩けない、ということがよくあります。これは、はじめて着けられたリードや首輪、知らない環境への不安からの自然な反応です。
リードや首輪は、慣れるまでは室内でも着けておき、リードをつけた状態で好物を与えるなどして慣れさせましょう。外に出て、子犬がおびえている様子なら、最初は静かで車や人通りが少ない場所をえらんで、すこしずつ慣れさせます。おやつを持って行き、出会った人に与えてもらうのも効果的です。

社会の一員として・お散歩のマナー
①首輪・リード・胴輪などを装着する
どんなにしっかりしつけた犬でも、非常事態にはどんな行動にでるかわかりません。
道路の向かい側に、他の犬や、知っている人がいたとき、道路に飛び出していって車にひかれてしまったり、迷子になってしまうことも考えられます。
また、犬が苦手な人にとって、リードをつけていない犬はとても怖いものです。犬が「社会の一員」としてりっぱに認められるためには、犬が苦手な人に対する配慮も必要です。

②迷子札をつける
万が一のときのため、首輪には連絡先をかいた迷子札をつけておきましょう。

③ビニール袋・水などのマナーグッズを持っていく
周囲のひとへ迷惑をかけないために、かならず排泄物を持ち帰りましょう。水を持っていくと、
おしっこや軟らかいうんちを流せるので便利です。

しつけと健康のために・・正しい食事の与え方②

前回は「健康管理にもとづいた食事」についてお話しました。
今回は「しつけのための食事の与え方」についてです

仔犬に食事を与える際は、仔犬に、「飼い主は自分にとって、命の糧となる食事を与えてくれる、頼るべき存在」だということを印象づけることが大切です。
時間になったら催促して吠えるので食事を与えたり、かわいらしいしぐさに負けて、ほしがるままにおやつを与えていると、仔犬は「飼い主はなんでも言うことを聞くし、頼りないから、自分がリーダーになるべきだ」と勘違いしてしまうかもしれません。
食べ物は、仔犬にとって、とてもうれしいごほうびです。
「吠える→うるさいから、しかたなく食事を与える」と、仔犬は「吠える→いいことがある」と学習し、ますます吠えるようになります。
仔犬は、おいしい食べ物を手に入れるために、ありとあらゆる努力をします。飼い主の足元でじっと見つめてみたり、そっとひざに手を置いてみたりして、食べ物をもらえるまで辛抱強く待ち続けます。そして、念願の食べ物を手に入れたら、からだ全体でよろこびを表します。そのかわいいしぐさに負けて、ついつい人間の食べ物を与える習慣がついてしまうものです。
しかし、人間の食べ物は犬にとって健康に害なものもありますし、「しつけ」の面からみても良くありません。かわいくおねだりする犬ならまだ良いのですが、小さな子供がいる家庭では、犬が、子供の食べ物を奪い取るといった問題行動に進みかねません。しつこく「おねだり」をしてくる仔犬なら、人間が食事をする時間はケージにいれるという習慣にしたほうが良いかもしれません。

食事を与えるときのポイント

①「おすわり」「まて」をさせてから与える
食べ物は、飼い主から与えられるものだということを仔犬に学習させます。
この号令はしつこく繰り返したり、長く待たせる必要はありません。
「おすわり」「まて」は人間で言う「いただきます」だと考えましょう。「いただきます」を一回言えば充分なように、「おすわり」「まて」も、食事の際は、号令に従う気持ちがあれば充分です。
しつこく「おすわり」させたり、食事の途中で食べ物をとりあげて「まて」させたりするトレーニングは、食べ盛りでおなかぺこぺこな仔犬にとって耐え難いものです。しつこく号令に従わせることで、仔犬をイライラさせ、逆に攻撃性をたかめることもありますので絶対にやめましょう。

②食事中に、飼い主が近づけるようにする
食事中に飼い主が近づくと、食べ物を守ろうとする仔犬は、特別「食べ物」に対する執着心が強いと言えます。このような仔犬は、将来、食事中に触ると咬んだり、うなったりする犬になる可能性があります。
自分の食べ物を守ろうとする仔犬を叱ってはいけません。叱ったり、食べ物を取り上げたりすると、仔犬は、飼い主と食べ物を奪い合っているのだと勘違いし、問題はますます悪化します。
このような仔犬には、「食事中に飼い主が近づいてきたら、いいことがある」と教えることが大切です。仔犬の食事を一回ですべて与えず、途中で追加して与えたり、食事の途中で仔犬の好物を食器に追加したりします。繰り返すうちに、仔犬は、「飼い主が食事中に近づいてくるのは、食事を奪うためではなく、さらにおいしいものをくれるためなんだ」と理解してくれるでしょう。
しかしながら、食べ物に対して執着心の強い犬の場合は、食事中にいきなり攻撃的になることも考えられるため、小さい子供には、犬の食事中は近寄らないように教えておいたほうが安全です。

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