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仔犬のかみぐせ~物編

元気いっぱいの仔犬は、何でも口にいれたり、咬んだりします。これは正常な行動で、目につくものを口にくわえてみて、食べられるもの、食べられないものを学習していきます。仔犬が食べてはいけないものを口にしたとき、飼主が過剰な反応をすることで仔犬がそれを
「飼主と物を奪い合う、楽しいゲーム」
と勘違いしてしまうことがあります。
無害なものであれば、ある程度自分で確認させることもよいですが、飲み込んでしまうと消化器に詰まってしまう可能性のあるものは注意が必要です。

☆仔犬が咬みたがる物とその対処法

土、石、草などの自然物
→これらの物を避けて生活することはできないので、無害なものであれば確認させてみても良いでしょう。
むやみに取り上げようとしなければ、自然と興味がなくなります。
もし、ひんぱんに石をくわえたがるようなら、あらかじめ“くわえそうな石に、犬が嫌う味(ビターアップルや酢などの無害なもの)を塗っておくのも効果があります。
そして、庭に出たときに、「石をくわえるより楽しい遊び」があることを教えてあげるのも大切です。
ボール投げなどで一緒に遊べば、石に対する興味は次第に消えていくはずです。

ティッシュ・スリッパ・新聞など動かせるもの
→仔犬がくわえて遊びそうなものは、あらかじめ手の届かない場所に片付けておくことが大事です。叱っても、人間がいないときに遊ぶようになるだけなので、効果がありません。
もし、口にして欲しくない物をくわえているのを見つけたときは、さりげなくほかのおもちゃやおやつを投げて、そちらに注目している間にそっと取り上げます。ムキになって取り上げようとすればするほど、子犬は興奮して逃げたり、攻撃的になることがあるので、あくまでもさりげなく交換することが大切です。

家具・電気コードなどの動かせないもの
→ビターアップルなどを塗ることで効果がある場合もあります。アルミホイルやダンボールを利用してカバーをしてもいいでしょう。
家具や、ティッシュなどをひんぱんにかじる仔犬は、やめさせるだけでなく、「咬みたい・遊びたい」欲求を充分に満たしてあげることが大切です。
おもちゃは与えるだけでなく、一緒に遊んであげて、いたずらをするエネルギーを他に向けるようにしていきましょう。

仔犬のかみぐせ~人間編

生後2~5ヶ月ごろの仔犬は、本来なら母犬や兄弟犬とじゃれあい、咬みあって成長していきます。
犬同士で咬まれたり、咬んだりすることで、「強く咬むと怒られる」「咬まれると痛い」ことを学び、「強く咬まない」ことを身につけていくのです。
しかし、ほとんどの仔犬はこの時期に人間の家族の一員になります。
元気で、のびのびとした性格をしている子犬は、常に「遊びたい」「咬みたい」と思っているので、人間にじゃれついたり、咬んだりしはじめます。
しかしほとんどの飼主さんは、なぜ仔犬が咬んでくるのかわからないために、間違った対処をしてしまいます。正しいしつけ方をすれば、子犬は本来の明るい性格をそこなわずに、強く咬んではいけないことを学びますが、間違った方法で対処すると「咬んではいけない」ことを学べないばかりか、それ以外の問題を抱えることもあります。
一緒に暮らしていくうえで、「咬まない」ことは最低限のルールです。
根気よく教えてあげてください。

間違ったしつけ方
①高い声で叱ったり、軽くおしおきする。騒ぎながら逃げる。
女性や子供に多い反応です。
咬んでくるとき、子犬は「遊びたい」と思っています。咬みついたことで人間が手を動かしたり、仔犬を見たり、声をかけたりすることで仔犬は「咬みつく→遊んでもらえる」と勘違いしてしまい、ますます咬むようになります。

②大きい声で叱り、「キャン」と言うまで強くおしおきする。
男性に多い反応です。
この方法を行うと、仔犬はこの人には咬まなくなるので、とても効果が
あるように思えます。しかしこの方法にはとても怖い副作用があるのです。

副作用
①男性には咬まなくなるが、女性、子供、高齢者にはますます強く咬むようになる。
②人間に恐怖心や反攻心を持ち、なでようとしただけでうなったり咬んだりする。

2~5ヶ月の仔犬は、人間の年齢で言うと3~4歳くらいです。
このしつけ方は、小さな子供が、お父さんお母さんに「あそんで」とじゃれついたときに、毎回「うるさい」と怒鳴り、強くたたいているのと同じです。絶対にしないでください。

正しいしつけ方
①おもちゃを使ってたくさん遊ぶ。
人間の手足に咬んでくる子犬の多くは、日中一人で留守番をしている時間が長く、たいくつを持て余しています。ケージから出してもらったときは遊びたくて爆発寸前で、すぐさま手足に咬みついて来ます。
犬種によって必要な運動量はさまざまですが、手足に咬みついてくるのならあそびが足りないと考えて良いでしょう。

②「咬んでも楽しくない」ことを教える。
痛いと思うほど強く咬んできたときは、一度だけ「痛い!」と大きな声でいい、少しだけ仔犬から離れ、しばらく仔犬を無視します。
もし、仔犬がかまわずにもう一度咬んできたら、無言で仔犬をケージに入れるか、人間が他の部屋に行き仔犬をひとりぼっちにします。この時間はせいぜい5~10分くらいで充分です。
5分ほど経ったら、おもちゃを使っておもいきり遊んであげます。
最初は強く咬んできたときだけ行い、仔犬が「強く咬んではいけないことを理解したら、徐々に「すこし歯があたった」くらいでも行うようにしていきます。

この方法は、副作用も無く、誰でも安全に行えるしつけです。
この方法を始めると最初のうちしばらくは、「前よりひどくなった」と思うかもしれません。
それは仔犬が「今まで通り咬んでも反応が無いなら、もっと強く咬めばいいのかな?」と勘違いするためです。
そこであきらめて無視をやめてしまうと、仔犬は「やっぱりもっと強く咬めばよかったんだ」と思い、問題はなかなか解決しないでしょう。
仔犬は必ず理解してくれますので、根気よくこの方法を続けてください。

冬の病気 その1 ~猫のワクチン~

猫のワクチン接種はお済みですか?

気が付けば、もう11月。朝晩の冷え込みから、冬の訪れを感じさせる季節となりました。
人間と同じく犬猫も、これから寒い冬にかけ、ウイルスによる伝染病が増える時期でもあります。
人間がインフルエンザにかからないようにワクチン接種を行うのと同様に、犬猫でもワクチン接種で予防できる感染症があります。
感染症から動物を守るためにも、予防接種を行いましょう。
そこで今回は、ワクチンの接種で予防できる猫の病気を簡単にご紹介します。

猫ウイルス性鼻気管炎
猫ヘルペスウイルス1による感染症です。後述のカリシウイルス感染症とともに、猫の呼吸器感染症の80%以上を占めています。
ウイルスは、感染した猫の唾液や鼻汁などの呼吸器分泌中に排泄され、それに接触することで他の猫へと感染します。
一度感染してしまうと、ウイルスは中枢神経系に生涯ひそんでいます。そして、ストレスや免疫力が低下すると、再びウイルスが排泄され、他の猫への感染源となります。この際に、再び症状が出ることもあります。
感染すると3~4日後に発熱、くしゃみ、咳、過剰なよだれ、食欲不振、結膜炎などの症状を示します。くしゃみや分泌物がたくさん出ることで、呼吸が苦しくなります。
産まれたばかりの子猫では、全身感染を起こし死亡してしまいます。
感染後、症状は2週間位続きますが、放置すると多くの症例で二次感染により悪化し、結膜炎は角膜潰瘍へと進行していきます。
また、食欲が低下しますので、まだ体力のない子猫では衰弱し、死に至ります。

猫カリシウイルス感染症
上記の猫ウイルス性鼻気管炎と並んで、猫の代表的な呼吸器感染症です。
猫カリシウイルスは、咽喉頭粘膜に持続感染し、回復後も無症状で数週から数ヶ月、場合によっては一生、唾液中にウイルスを断続的に排出するため、容易に接触伝播します。
感染すると1~3日後に発熱、元気消失、鼻炎、結膜炎などが起きます。
舌や口になかなか治らない口内炎がよく見られ、肺炎や跛行などを併発することがあります。
猫ウイルス性鼻気管炎と同様に、仔猫では肺炎を起こし死に至ります。

猫汎白血球減少症
伝染性が強く、急性に経過する発熱、食欲減退、嘔吐、下痢・血便、総白血球数の減少を特徴とします。
ワクチンを接種していない猫では、全ての年齢にわたり感受性ですが、仔猫は特に重症で死亡率が高く、1日で死亡することもある怖い感染症です。

猫白血病ウイルス感染症
猫白血病ウイルスは、猫の間で広く伝播しており、リンパ腫や白血病ばかりでなく多くの疾患の発症に関与します。また、その多くが致死的な経過を辿ります。
ウイルスは唾液を介して伝播するため、感染している猫は他の猫への感染源となります。
感染してから発病までの期間が長く、見かけ上健康に見えますが、感染すると、数ヶ月~数年の後にリンパ腫や白血病などの腫瘍性変化を、多くが起こします。
猫白血病ウイルス感染症で、3年以内に80%以上の猫が何らかの疾病で死亡します。

猫のクラミジア病
前述の、猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症との混合感染も多く、症状も似ています。
感染して1週間の後に、結膜炎を主症状とし、鼻汁、くしゃみ、咳、などがみられます。結膜炎は、進行するにつれて浮腫性・化膿性の結膜炎へと移行します。

現在、ワクチンで予防できる猫の病気は、以上の5種類です。
たとえ感染しても、ワクチンを接種していれば、軽い症状ですみます。
いつ接種すればよいかは、猫の年齢や状態によって異なりますので、動物病院にご相談下さい。

 

トイレのしつけ~猫編

用意するもの
①トイレの箱:子猫のうちは、自分で登りやすい低めのものがいいでしょう。クッキー缶などで代用できます。成猫になったら、トイレの数は、「猫の数+1個」必要です。
②トイレの砂:猫は排泄物を埋めてかくす習性があります。猫の場合、ペットシーツや新聞よりも、砂タイプの物の方が排泄しやすいでしょう。砂は、無香で、固まるタイプのもの、細かくてある程度重さがあるものが好まれる傾向にあるようです。

置き場所
人の出入りがうるさい玄関や、お風呂場などの寒い場所は適していません。
いつも猫がいる場所のちかくで、おちついて排泄できそうな場所にします。

子猫が家にきたら・・・・
トイレを覚えるまで、自由に動ける範囲を、いつも人がいる一部屋だけにしておきます。
そして、その部屋にトイレをおいておきます。

くるくる回ったり、においをかぎながら、タオルや座布団などのふかふかしたものを掘ったりして、腰をかがめる動作をしたら排泄の合図です!すばやく子猫をトイレにつれて行きましょう。
成功したらやさしくほめてあげてください。

猫はとてもきれい好きです。排泄物はすぐに掃除しておきましょう。

失敗したときは、決しておこらないでください。
匂いが残っていると、その場所をトイレと勘違いしてしまうので、よく消臭しておきます。

生後3ヶ月未満の子猫の場合、「トイレまで間にあわない」ために失敗してしまうことがあります。
いつもいる部屋が広いのなら、いくつかトイレを用意しておいてもいいでしょう。

この方法で、ほとんどの子猫がすぐにトイレの場所を覚え、自分でトイレにいくようになると思います。成猫で、なかなかトイレで排泄しないときは、膀胱炎などの病気や、発情のマーキングの場合もありますので、ご相談ください。

トイレのしつけ~犬編

仔犬を飼いはじめたらまっさきに始めたいのがトイレのしつけです。
正しい方法で、根気よく続ければ、ほとんどの子が1ヶ月くらいでおぼえてくれます。
なかなかうまくしつけられないという方も、あせらずにこの方法を続けてください。

ケージの中では・・・

①犬は元々、寝る場所と、食事をする場所で排泄することを嫌います。
ケージの中にいる時間が長くても1~2時間なら、ケージのなかにトイレを作る必要はありません。
むしろ、ケージのなかで排泄しないように、ケージのサイズはベッドと食器が入るくらいの大きさがいいでしょう。
しかし、留守番の時間が1~2時間以上ならケージ内にトイレを作る必要があります。
ベッドからトイレまでの距離は30センチくらい離れていたほうがいいので、広さのあるケージが必要です。

②犬は、周囲をかこわれている場所や、ふかふかとして少し高さのある場所で寝ることを好みます。
市販の犬用ベッドを使用するか、ダンボールなどで工夫して、周囲をかこまれたベッドを作ってあげてください。
そしてその近くに食器を置きます。そこからなるべく離れたところにトイレを作ります。
もし、ケージ内どこでも排泄してしまうのなら、ベッド以外のところ全面にペットシーツを敷きつめます。
そのままにしておけば、そのうち仔犬はケージ内の、自分でトイレと決めた場所で排泄するようになるので、する確率の低い場所のペットシーツはいらなくなります。
この方法で、ほとんどの仔犬がケージ内で失敗せずに排泄できるようになります。

ケージの外では・・・

①トイレの場所を仔犬が完全に覚えるまで、仔犬が自由に遊べるのは、リビングなどの人間がいつもいる一部屋だけにしてください。
仔犬はカーペットやじゅうたんに排泄することを好むので、可能ならばカーペットなどは片付けておきましょう。
そして、部屋のどこかにトイレをつくります。
部屋が広いなら、何箇所かつくっても良いでしょう。

②仔犬は「起きたとき」、「食べた後」、「走り回った後」に排泄します
このタイミングには必ずトイレにつれていき、声をかけて排泄をうながします。

③仔犬をケージから出したら、様子をよく観察してください。
においをかいで部屋のすみに行ったり、くるくる回ったり、腰をかがめる動作をしたら、排泄の合図です!
すばやくトイレにつれて行き、やさしく声をかけて排泄をうながしてください。

④うまくトイレで排泄できたら、やさしくほめてあげてください。
ほんの少しのごほうびを与えてもかまいません。
人間が手伝って、何度も成功させることでそのうち仔犬は「ほめられたい」ために自分からトイレで排泄するようになります。

⑤もし仔犬が違う場所で排泄してしまっても、決して怒らないでください。
怒られることで排泄にわるいイメージがつき、子犬は人間の見ているところでは排泄しないようになったり、排泄物を食べて隠そうとしたりします。
また、トイレの場所につれて行って怒ると、「トイレの場所=怒られる場所」になり正しいトイレの場所を教えることがむずかしくなります。
もし、ひんぱんに失敗する場所があるなら、そこをトイレにしてしまうのもいいでしょう。
食器や水を置いて排泄できないようにするのも効果があります。

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