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社会化トレーニング①

社会化トレーニング①

「社会化トレーニング」とは、社会化期を利用して様々な刺激になれさせ、将来おこりうる問題行動を予防するために行われます。

犬の問題行動の中で、もっとも深刻な物は「人間への攻撃性」です。
「人間への攻撃性」は仔犬のうちからみられることはまれで、ほとんどが成長してからみられるようになります。仔犬の時点で問題がなくても、トレーニングをおこなって予防しておくことが大切です。

★お散歩に行くときにフードかおやつをもって行き、声をかけてきた人に与えてもらいます。最初は食べなくても、やさしく声をかけ、毎日続けます。
道で知らない人に会うことは楽しいことだと学習させ、怖がったり吠えたりしないようにトレーニングしていきます。家庭内にいないタイプの人(お年寄りや、メガネをかけた人など)や、傘をさしたひと、帽子をかぶった人などなるべく様々な人と触れ合えると良いでしょう。
特に子供に対しては、犬が歯をあてだけでも大きなケガになりやすいので注意が必要です。
子供と犬を接触させるときには、まず子供に『走って近づく・大声をだす・上からおおいかぶさる・急に触るなどの行為は、犬にとって怖い物である』ことを教えます。
子供が安全に犬に触るためには、まず飼い主に「犬に触ってもいいですか」と聞き、許可を得てから手を犬の顔の下に差し出します。そのときに犬が顔をそむけたり、後ずさりするようなら、触ってはいけません。そのような行為が見られないなら、子供から犬にフードを与えてもらいましょう。もし触られるのを嫌がるなら、フードを犬の足元へ投げてもらい、少しずつ慣らしていきます。
もし仔犬がよろこんで知らない人にとびついていくようなら、「おすわり」をさせてから与えるようにしましょう。飛びつくことを習慣にさせないことも大切です。

★家にやってきた人にも、仔犬に食べ物を与えてもらいます。犬はテリトリーを守る習性がありますので、成犬になってから来客に吠えたり威嚇したりする可能性があります。
郵便屋さんや、集金などの頻繁に訪れる人間には、仔犬のときに十分に慣らしておくと
良いでしょう。「チャイムの音に慣らす」に関しては、第15回に書いていますので、参考にしてください。

★動物病院やトリミングなど将来行く機会がある場所には、フードを持参していき、スタッフから与えてもらいましょう。

最初は仔犬の様子に十分注意し、無理のないふれあいからはじめてください。
知らない人が近づくと怖がるしぐさが見られるなら、いきなり触ったり抱いたりすると逆に仔犬に恐怖心を与えていまい、人間嫌いの原因になります。好物をあたえてもらう、おもちゃで遊ぶなどの子犬にとって楽しいふれあいからスタートし、慣れてきたら触るようにします。

怖がりな仔犬は人に慣らすのに時間がかかりますが、成犬になればなるほど慣れにくくなりますので、できるだけ小さなうちから慣らすことが大切です。